田舎で暮らせる人は、もともと田舎で育った人です。
あこがれだけで田舎に暮らすのはやめましょう。
どうしても田舎に来たいなら、たまに観光で来るくらいがいいです。
わるいことは言いません。
やめとけ。
田舎暮らしはやめとけと言う一番の理由は選択肢がないこと
大人も子供も選択肢が少ないです。
仕事は選べるほどない上に、同じようなものばかりなので、消去法で決めるしかありません。
給料にいたっては、パートやアルバイトは都道府県の最低賃金が適用されるので、収入が低い・高いは気になりませんが…
正社員でもパートやアルバイト並みか、少しいいくらいなのでやってられないです。
田舎は都会と比べると家賃が安いだけで、車が必須なこと、給料が低いことを考えると一人暮らしはなかなか厳しいです。
子供に関しても、学ぶ環境やいろんなものに触れる環境が少ないです。
学校も校区内にひとつしかないからそこに行く。
学校自体が少ないから、通える範囲の学校に行く。
勉強ができる子も苦手な子も、同じ学校に通ったりします。
だから勉強ができる子は物足りなく、勉強が苦手な子はついていけないといったことが問題になります。
また、田舎で自然と触れ合う機会は多くても、それ以外がないから、世の中にどんなものがあるのかをあまり知らない。
これは将来の夢や進路決定にも関わってきます。
結局自分の未来を考えたときに、選択肢がないことが一番の問題なんです。
大人も子供も可能性が狭まってしまいますから。
もっと稼げたかもしれない、もっと勉強して違う仕事をしていたかもしれない。
将来の夢を早く見つけられて、努力できていたかもしれない。
田舎だからダメとは言いませんが、わざわざいろんなことを選べる立場を捨てる必要がありません。
ただでさえ不便なところなのに、今後それは加速していく
若い人は進学を機に地元を離れ都会に出ます。
ほとんどがもう戻ってくることはありません。
人口は減っていく一方です。
病院に関しても、医師不足のためになくなった診療科や、受け入れ停止している科があります。
出来たころはにぎわっていたショッピングモールも、今では空きテナントだらけ。
今さら人口が少ない場所に出店しても仕方ありません。
何かが新しくできるよりも、閉まっていく方が多いのが田舎です。
病院もお店も利用しにくくなってきています。
今はなんとか暮らせても、後々不便さを感じることが増えるのは確実です。
でも人が少なくても自然が多くてのんびり過ごせそうだしいいんじゃないの?
本当にのんびり過ごせるのは旅行で田舎に来たときだけだよ。自分で買い物に行って…となると、まずお店がないことに直面します。
変わり映えのしない景色に気分転換がしづらい
まず田舎暮らしと言えど、基本的な生活は都会の人と同じです。
大人は仕事に行って、帰りにスーパーによって帰宅。
子供は学校に行って、放課後部活や塾に行って帰宅。
休みの日は好きに過ごす。
生活リズム自体はだいたいみんな同じです。
ただ気軽に気分転換する場がないんです。
仕事で疲れたり、嫌なことがあってすぐに家に帰りたくないとき。
帰りにちょっとどこかに寄って、気持ちを癒す場が欲しいときがありませんか?
わたしは気分転換にいつもと違う帰り道を通ったり、車を運転しながら大声出したり、ドライブしたりしていました。
それぐらいしか気分転換の方法がなかったからです。
でも気分転換って非日常の中にいてこそできると思うんです。
一時期ライブに行くのにハマっていましたが、そのときは本当に心がすっきりしました。
結局帰り道を変えてもドライブをしても、田舎の道に変わりはなく、日常の延長線上でしかないんです。
どうしても田舎暮らしをしてみたい場合
- 絶対に家を建てるな
- まずは賃貸暮らしで様子見
- 不便だと感じることを年をとってもできるか考える
いきなり移住とか、定住するつもりでやってくるのはやめた方がいいです。
どうしても田舎暮らしをしてみたいなら、絶対にお試し期間を設けてください。
そのあとでも遅くありません。
絶対に家を建てるな
田舎暮らしを”してみたい”くらいなら、身動き取れなくなるようなことは絶対にするべきではありません。
田舎は土地が安いので、広くて大きな家でも、都会で建てるより安く建てられます。
これは田舎に家を建てるメリットでもありますね。
でもそんなメリットだけを見て、住みだしたとたんに田舎暮らしが合わないと感じたら?
とたんに毎日がつらいものになります。
都会の当たりまえは田舎の非日常、テーマパーク並みのことだと思ってもらっていい。
とりあえず駅に行けば電車が来る、ちょっと休憩したいからカフェに入る、暇つぶしにウインドウショッピングをする、疲れたからタクシーに乗る。
こんなこと田舎では簡単にできません。
都会とは別世界なんです。
そんな落差がある場所を受け入れられない可能性も考えたら、絶対に家を建てるべきではありません。
まずは賃貸暮らしで様子見
家賃は安いですから、試しに住んでみて、どんな暮らしになるのか体感してみましょう。
ただし最低でも1年間は必要です。
一番過ごしやすい時期に来て、ちょっと生活してみただけで快適~♪田舎最高~♪移住しよう!なんて浅はかなことをしてはいけない。
田舎のメリットに”四季を感じられる”なんていうのがよく上げられますが、それは観光客の意見なんじゃないかと思っています。
田舎暮らしじゃなくて。
たしかに春は桜、秋は紅葉などを楽しむことができます。
それは本当にいいことです。
でもその”四季の中で暮らす”という視点が忘れられている。
わたしが育った田舎で感じたことは、
- 春は好き。寒い日も多いが過ごしやすい
- 夏は暑い。県北部と言えど暑いし、夜は虫が本当に多い
- 秋も過ごしやすいが、カメムシが発生するので洗濯物に相当気をつかう
- 冬は雪が降るので雪かきが大変。腰痛めた。雪道の運転に気をつかう
ざっくり言えばこんな感じです。
まだまだ細かいことを言えばたくさんありますが、四季の中で暮らすことについて簡単に感想を述べました。
四季を感じられることと、四季の中で暮らす=自然の中で暮らすことは全くの別物。
もしかしたら、今は田舎暮らしの理想と想像が勝っているだけかもしれません。
それに飲食店もほとんどないので、気軽に外食できません。
スーパーの閉店時間が早かったり、コンビニも近くになかったり。
こういう状況にストレスがたまるかもしれません。
田舎暮らしが合わなかったときのために、すぐに動けるような状態を作っておくことで精神的にも楽になります。
不便だと感じることを年をとってもできるか考える
田舎は車がないと生活しづらいです。
じゃあ年を取ったら?
雪が降る地域は雪かきをしなければなりません。
じゃあ年を取ったら?
車を運転することも雪かきをすることも、若いうちはできます。
でもどちらも年を取ると厳しくなってきますよね。
かといって、田舎に暮らすならどっちもやらなければいけません。
年を取ってもできるのか、この地域に住んでいけるのか、田舎で定住することを考えるなら、絶対に考えないといけないことです。
病院に行くにも車がないと行けないし、タクシーを使ってもかなり遠くて料金もばかになりません。
よく高齢者が運転操作を誤って事故を起こすニュースがあります。
免許を返納しないからだ!と周りは簡単に言いますが、田舎で車を持たないことは死活問題です。
だからと言って、危ないとわかっているのに車を運転するのも…
なんて葛藤があるため、なかなか免許の返納を決断できません。
でも事故が起きてからでは遅い。
こうやってぐるぐる考えて答えが出ないことも、都会などの交通の便がいい場所に住んでいれば、免許を返納することも決断しやすいです。
田舎暮らしはやめとけと念を押して言います
別に田舎だからってのんびりしているわけじゃないし、生活費が安いわけでもありません。
田舎=自然の中でのんびり
田舎=何もないからお金がかからない
この構図が意味不明です。
自然の中でのんびりできるのは、ネスタリゾート神戸みたいに自然を整えた施設だけ。
ガチの自然の中なんて体力はいるし、虫や害獣対策、草刈などをしないといけないので結構大変なんです。
それに何もないからお金がかからないんじゃなくて、何もないからお金を使ってしまう場合もあります。
何もないからこそお金を使うことくらいしかストレス発散方法がないからです。
散歩に出かけたって景色も変わらんし新しい発見もないし。
さらに言えば、特別空気がきれいなんてこともありません。
空気がきれいだと感じられるのは、整えられた観光地などの自然の中だけです。
今一度、あなたが想像している田舎暮らしがどんなものなのか、考えてみてください。
整えられた自然を想像しているのか、自分で草刈りしたり雪かきする自然を想像しているのか。